極彩色のクオーレ







同乗者への配慮など皆無である。


明らかに普段と様子が違う。



「セドナ、ニコさんは……」



同じ不安を抱いたのか、ケセラが瑠璃色の双眸を潤ませてセドナを見上げる。


片手でニコの胴部をしっかり掴み、もう一方の手で頭を撫でてやった。



「大丈夫だ、だから前向いてろ、舌噛むぞ」


「うん……」



セドナは俯くケセラの背中を叩き、もう一度大丈夫と繰り返してニコの胴に掴まり直す。


今の言葉はケセラだけでなく、自分自身にも向けた言葉だった。


ニコに対する言い知れない恐怖に潰れてしまわないように。


掴めない浮遊した不安に呑み込まれないように。



(無事でいてくれよ、ティファニー。


お前にもしものことがあったら、ニコがどうなっちまうか分からねえぞ……)



以前ニコから聞いた、人型のゴーレムになる前の話。


命ぜられるまま壊れるまで戦場で殺戮を続ける雑兵人形だった頃に戻ってしまったら……。


それは最悪な想像だった。


今掴まっているこの細身の身体には、簡単に命を奪ってしまう武器が仕込まれている。


絶対に使わせない。


そんな事態は引き起こさせない。



(こいつらは、俺が絶対に守る!)



胸の内で力強く誓って、セドナは前を見据えた。


クラウンの入口はもうすぐそこだった。