そのホワイトボードに引っ付いたペンでキュキュ、と音を立ててハーフコートの図を描いた上に、赤く丸っこい磁石が乗る。


ゴールを指す黒丸の隣に乗っかった磁石を差し、イツが話し始める。


「まずはここ。ラブが考えるここのポジションはどんな人?」


「センターだな。ゴール下を守ったり、イージーシュートの起点だったり、リバウンドを狙ったり」


「そう、5on5の場合はね。ストリートボールの場合は、スクリーナーになって足止めしたり、三人の中で一番パスを貰いに行ったりもしなくちゃならん」


成る程。となると、5on5のセンター、パワー、スモール両フォワードの三つのポジションを一気に担う役割ってわけか。


「基点はゴール下だから、ここに立つ人間は呼び方とすれば『リバウンダー』だな。スネイク・オーバドゥでいうマカロンはこのポジション」


上背もあり、四人の中で一番筋肉のついたアスリート体型のマカロンには適任の場所だろう。