ブツっ、と通話は途切れていた。 おれが切ったんだと思う。自分でも、無意識だったけど。 真っ黒になったスクリーン。画面に触れていた親指。 指。手のひら。腕。体、全部に。 砂の感触と、真子の感触が、まだ残っていた。 2人の手でやっと作った、砂の城。 いくらしっかり固めても、新しい大波は、容赦なくやってくるんだ。