その時、ガタンと扉が開く。

顔を上げた先には、



「岡村、くん」



走ってきたように見える彼の姿。






「どうして……」

「遅くなってごめんねー、委員長」



私なら持たないだろうと思うようなカラフルな色合いのリュックを下ろして、岡村くんがふにゃふにゃと笑う。



「帰ろうとしてたら、委員長が仕事してるって聞いて焦ったよー」



言ったのはきっと先生ね。

本当に余計なことばっかりするんだから。



「別に、私ひとりでも平気だったのに」



うつむいたまま手を動かせば、いつもよりトーンの低いぴりりとした声。



「なに言ってるの」

「え?」

「たまには周りを頼ってよ、委員長」



その言葉に顔を上げれば真剣な表情に目をそらした。

追いかけるように、おれの仕事でもあるんだよー、という軽やかな言葉に肩の力を抜く。



岡村くんのそういう調子が嫌で、はねつけたいのに……、



「……岡村くん。
手伝ってもらってもいい?」

「! うんっ」



そばにいて欲しいと、願ってしまうの。