〈 いけない。

私、音楽室に楽譜を忘れてきちゃった。

今日、家で楽譜を見て、演奏のイメージを作ろうと思っていたのに…… 〉




翔子が学校を出てから、十五分、翔子は家までの道のりを半分くらい来ていた。




辺りはもう暗くなり、学校には遅くまで部活をやっている人たちしかいないだろう。




〈 楽譜がないと困るから、音楽室に戻ろう。

演奏が下手で、みんなに迷惑をかけられないから…… 〉




翔子はそう思って、振り返り、今来た道を引き返した。