ケータイ小説 野いちご

かさぶた

かさぶた
炎症





手元の書類をまとめて、パラパラとめくる。

順に名前を確認していきながら、あるところで手を止めた。



ざわざわとした教室の中、人の間をぬって……



「岡村くん」



彼の机に手をついた。



「委員長、どうかした?」

「プリント出してないでしょう。
先生に持って行くから早く出して」

「あー、ごめん」



ガサガサという音をたてながらプリントを探るつむじを見下ろす。

周りの視線が私を非難しているように感じるのは、きっと勘違いではない。



「はい、これ」



ぱっと奪うようにプリントを取ると、指先が彼に触れた。



「岡村くん、こういうの多いから、ちゃんとした方がいいわよ。
もうすぐ3年生になるのにどうかと思うわ」



ごめーん、と軽い返事。



「じゃあね、おれもひとつ!
委員長も、もっと他の人頼んなきゃだめだよー」

「……余計なお世話よ」



言うと思ったー、とへにゃりと笑う岡村くんに脱力しそうになりながらもひそめた眉をそのままに。



「じゃあ、提出お願いしまーす」



くるりと背を向ければ、追いかけるように委員長、と呼ばれる。



「いつも仕事、ありがとね」

「……」



あなたのそういうところが、好きで、好きで、……大嫌いよ。







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