洋梨さんのレビュー一覧

★★★★★
2017/09/28 00:13
圧巻の名作

「独りでは生きていけないのに、誰かと繋がるのは難しいね」 双子の双葉と楓。幼馴染の朔良。幽霊の木花。人の想いって見えないから難しい。勘違いも遠回りもたくさんしたけれど、彼らが自分たちで踏み出した一歩はとても大きく、成長した姿に涙せずにはいられなかった。 作者様の圧倒的な表現力、脱帽です。繊細な情景描写と明瞭な心理描写。音、匂い、色、感触、まるですべての感覚を乗っ取られてしまったんじゃないかと思うほど文章に力と魅力がありました。 ひとりひとりの言葉や説話の深みが物語をより豊潤させ、「どういうこと?」と思案する時間を与えてくれる。読書って楽しいと再確認させられました。 あわよくば、私も朔良のピアノが聴きたかった。 読み始めたら中毒です。大好きです。是非御一読ください。

「独りでは生きていけないのに、誰かと繋がるのは難しいね」


双子の双葉と楓。幼馴染の朔良。幽霊の木花。人の想いって見えないから難しい。勘違いも遠回りもたくさんしたけれど、彼らが自分たちで踏み出した一歩はとても大きく、成長した姿に涙せずにはいられなかった。

作者様の圧倒的な表現力、脱帽です。繊細な情景描写と明瞭な心理描写。音、匂い、色、感触、まるですべての感覚を乗っ取られてしまったんじゃないかと思うほど文章に力と魅力がありました。

ひとりひとりの言葉や説話の深みが物語をより豊潤させ、「どういうこと?」と思案する時間を与えてくれる。読書って楽しいと再確認させられました。

あわよくば、私も朔良のピアノが聴きたかった。

読み始めたら中毒です。大好きです。是非御一読ください。

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★★★★★
2017/09/20 22:53
ネタバレ
彼はバンドマン

ふたりぼっちに、なりたかった
だから私は、一人ぼっちになるの


人気バンド・ブラストのボーカル、アオイが自分の彼氏。夢を叶えて大きくなったバンドマンは、どんどん遠い存在に思えてくる。

好きと嫉妬の葛藤、素直になれない感情、周りの人たちの言葉。丁寧に紡がれる文章が、それらすべてを鮮明に感じさせてくれる。

アオイくん、カッコいいよ。
バンドマンって最高にカッコいい。

誰も知らない、自分のために書かれた曲を自分のために歌ってくれるアオイが夢を叶えたから。ミサキはその横でずっと、ブラストを応援していてほしい。

素直じゃないふたりの会話がもどかしくて癖になる。最後までアオイくんが出てこない構成もすきでした。

このふたりの未来を想像せずにはいられない。素敵な作品です。是非ご一読を。

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★★★★★
2017/08/10 02:01
ネタバレ
ちぐはぐなようで心地いい

「勇樹くんの元気は私の元気だから」


突然の告白から始まった、少しヘンテコでどこだか現実味のある付き合いたての初々しさと、そんなふたりの距離が縮まっていく過程がとてもよく描かれています。

付き合うってなんだろう。好きってなんだろう。月が太陽の光を浴びて光るように、聖美も勇樹の笑顔につられて笑う。ちぐはぐなようでピッタリのふたりが、とてもかわいらしい。

特別な何かがあるわけじゃないけれど、人を好きになるって素敵だなあと思わされる、月と太陽を融合させたような物語です。

クリスマスの時期にもう一度読み返したくなる。是非、ご一読を。

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★★★★★
2017/08/09 11:35
ネタバレ
青春をぎゅっと詰め込んで

「はいどーもな」


私は君の親友だ。それ以上になんて絶対になれないし、君が好きな大和撫子なんかにも程遠い。話が合うのは私だって同じなのに、その距離がもどかしい。

片思いのとき「この関係が崩れてしまったら」って怖くなる、その気持ちをこんなにもうまく表現した作品は他にないと思います。親友として隣にいたい、でも好きだって気持ちが溢れてしまう。

背中に綴った『スキ』の文字が、青春をぎゅっと全部詰め込んだみたいでほんとうにいとおしい。片思いって切ないけれど、片思いって本当に素敵!

個人的に最後のやりとりがだいすきです。作者さまのセンスを見習いたい。是非是非ご一読を!

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★★★★★
2017/07/20 19:22
地球に愛を

僕らに愛を、ありがとう。 あした、地球に星が降る。あした、僕らの地球が終わる。そんなとき、貴方ならどうする? 泣く? 笑う? 喜ぶ? 悲しむ? 大切な人にあいにく? はたまたいつもと変わらない日常を過ごす? あした、地球がおわる。そんな日を綴った短編集。 作者さまの多彩な表現力と芯のある文体がとてもすきです。この物語に出てくるそれぞれのたった1日を、最後の1日を覗けたこと、とても幸せに思います。 是非、ご一読ください。読後、やさしい気持ちになれることは間違いありません。

僕らに愛を、ありがとう。


あした、地球に星が降る。あした、僕らの地球が終わる。そんなとき、貴方ならどうする? 泣く? 笑う? 喜ぶ? 悲しむ? 大切な人にあいにく? はたまたいつもと変わらない日常を過ごす?

あした、地球がおわる。そんな日を綴った短編集。

作者さまの多彩な表現力と芯のある文体がとてもすきです。この物語に出てくるそれぞれのたった1日を、最後の1日を覗けたこと、とても幸せに思います。

是非、ご一読ください。読後、やさしい気持ちになれることは間違いありません。

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★★★★★
2017/06/01 21:53
ネタバレ
切り取られた夏休み

ここから色づいて物語が始まる


夏休み、自分の意思とは反対に何故か写真部に入ることになった。しかも部長はコンクールに出す写真を撮れと言ってくる。

モノクロに切り取られた世界。消費されるだけの「ありがとう」という言葉。焼けた自分の肌。辞めてしまった水泳部。心の中の蟠りがぜんぶ一気に消えるわけじゃない。だけど、モノクロだって綺麗なのかもしれない。そう思えたのは、きっとこの夏一緒に写真を撮っていた彼のおかげだ。

洗練された文章と思春期のリアルな心情。作者さまのこの世界観が本当にだいすきで、読むたび圧巻されてしまいます。

ありがとうって簡単に私達は使ってしまう。けれど、本当はもっともっと大切にしなきゃいけない言葉なのかもしれない。この物語の最後のようにあたたかくて純粋な「ありがとう」を忘れかけていたように思います。

是非ご一読ください。

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★★★★★
2017/06/01 16:31
ネタバレ
陽だまりのようなあたたかさ

「憧れと恋は違うだろ」


加賀見くんは夢を見せてくれない。先生のことが好きだって知っているのに、いつも邪魔ばかりする。おまけに意地悪ばかり言ってきて、なんて憎たらしいんだろうと思っていたけど、どうやら彼も先生のことが好きらしい。

普通なら笑ってしまうような勘違いを本気でしてしまう丸岡ちゃんがかわいくて、そんな丸岡ちゃんを見ている加賀見くんが最高にいじらしい。

あったかい陽だまりにいるような優しい文章と、魅力的なキャラクターたちに心を持っていかれました。加賀見くんとならきっと丸岡ちゃんは笑顔の毎日を送れるんじゃないかなあと思います。

やわらかくてあたたかいふたりの関係をのぞいていただければ。是非ご一読を。

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★★★★★
2017/06/01 15:38
ネタバレ
この愛しきかすり傷

「銀河のこと、待ってるよ」


突然現れた傷だらけの彼。いつも持っている絆創膏で手当てをして、お昼を一緒に食べるようになった。本当にただ、それだけの関係。

でもいつしか、お互い惹かれあって大切な存在になってゆく。傷を抱えていたのは銀河だけじゃない。きっと天音も、銀河に傷を癒してもらっていたのかもしれない。

ふたりの絶妙な距離感をこんなにもうまく描ける作者さまを本当に尊敬します。特別な何かがあるわけじゃない。でも心があったかくて泣きたくなる。これからふたりの道がどう絡まってゆくのかなんてわからないけど、銀河はきっと、いや絶対に天音を見つけ出してくれるんだと思います。

作者さまのあたたかくて人間味のある世界観がだいすきです。是非ご一読を。

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★★★★★
2017/06/01 15:29
ネタバレ
答え合わせをしよう

けれど俺はまだーーキミに恋をしています。


昏睡状態に陥った最愛の妻へ送る、『最上級の愛の言葉』とはなんだろう。愛してるは禁止、好きなんて単純な言葉でも表せない。人生の中でいちばん大切で、かげがえのない時間を共に過ごした彼女への答え合せを、見つけた。

たった15ページ。されど15ページ。

この短いページ数の中、ふたりがどれだけ互いを想い合い愛し合っていたのか、心臓に直接響くように伝わって来ました。

彼女の最期、ふたりの『答え合わせ』。作者さまの人の心を揺さぶる魅力は他の誰も真似できないと思います。胸が熱くなりました。

是非ご一読を。

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★★★★★
2017/03/30 23:46
ネタバレ
明日は今日になって

曖昧なまま、ここには確かに愛があった。


16歳と18歳。大人になりかけた、いちばん曖昧でいちばん不安定な年齢。やっと18歳。けれどまだ、18歳。

ふたりの事情をお互いわかっていながら、「結婚しよう」と未来の約束を吐いた。不安もさみしいもだいすきも全部抱えて、その言葉を選んだんだろう。

ラスト数ページ、ふたりの気持ちがまるで自分自身にうつったかのように胸が熱くなりました。じわりじわり、心臓が溶けていくような感覚。ああ、このふたりの運命はわからないれど、どうかいつか交わってほしい。どうか、どうか、この約束を本物にしてほしい。そう願わずにはいられませんでした。

うつくしくて儚い、作者様の世界観にやられます。ぜひ御一読を。

そしてひいちゃん、4周年おめでとう。これからもずっとだいすきです。

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★★★★★
2017/03/27 16:54
誰もが強いわけじゃない

「優しさを決めるのは自分じゃない」 気になるひとがいる。好きなひとができた。でも、ハッキリ『好きだ』って言うことができない。だって、彼は"いじめられてる"から。 学校生活でのヒエラレルキー。いつでも、どこにでも存在する、存在してしまう。いじめる側といじめられる側。そしてそれを、眺める傍観者。 好きなのに、彼が好きだと言うことができない。いじめられている彼を助けることができない。周りの目が気になる、自分の今後がこわい。誰だってそう。人間はみんな、きっと弱い。 でも、実優のようなほんの少しのやさしさが誰かを救うことだってきっとある。ほんの少しの勇気が誰かに届くことがきっとある。 優しさとは何か。伝えるとは何か。 それが例え恋じゃなくても、同じような境遇にいる方に一歩踏み出す勇気をくれる作品だと思います。ぜひ、ご一読ください。

「優しさを決めるのは自分じゃない」


気になるひとがいる。好きなひとができた。でも、ハッキリ『好きだ』って言うことができない。だって、彼は"いじめられてる"から。

学校生活でのヒエラレルキー。いつでも、どこにでも存在する、存在してしまう。いじめる側といじめられる側。そしてそれを、眺める傍観者。

好きなのに、彼が好きだと言うことができない。いじめられている彼を助けることができない。周りの目が気になる、自分の今後がこわい。誰だってそう。人間はみんな、きっと弱い。

でも、実優のようなほんの少しのやさしさが誰かを救うことだってきっとある。ほんの少しの勇気が誰かに届くことがきっとある。

優しさとは何か。伝えるとは何か。

それが例え恋じゃなくても、同じような境遇にいる方に一歩踏み出す勇気をくれる作品だと思います。ぜひ、ご一読ください。

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★★★★★
2017/03/26 18:45
愛とは何か

「でもきっと、価値はあることだよ」 学校に行くっていう、一番の日常を手放して。自分の殻に閉じこもった。さみしいを抱えて、吐き出す場所を探していた。そんなある日迎えにきたのは、15歳も年上のおじさん。 トクベツなことがあるわけじゃない。一緒に暮らすって、一緒に食事をするってこと。一緒にテレビを見たり、一緒に今日のことを話したりするってこと。たったそれだけの日常が、ふたりの心と距離をじわじわ溶かしていく。そしてまた、新しい色に染め上げていく。それはきっと、優しくてあったかい色なんだろう。 愛情という名前の不確かなモノを、こんなにも揺るぎなく鮮明に描いた作品を私は他に知りません。気づいたらぼろぼろと流れている涙を止めることができませんでした。 何度でも読み返したくなる、愛を見つけられる素敵なお話です。ぜひ、御一読を。このあたたかさに触れてみてください。

「でもきっと、価値はあることだよ」


学校に行くっていう、一番の日常を手放して。自分の殻に閉じこもった。さみしいを抱えて、吐き出す場所を探していた。そんなある日迎えにきたのは、15歳も年上のおじさん。

トクベツなことがあるわけじゃない。一緒に暮らすって、一緒に食事をするってこと。一緒にテレビを見たり、一緒に今日のことを話したりするってこと。たったそれだけの日常が、ふたりの心と距離をじわじわ溶かしていく。そしてまた、新しい色に染め上げていく。それはきっと、優しくてあったかい色なんだろう。

愛情という名前の不確かなモノを、こんなにも揺るぎなく鮮明に描いた作品を私は他に知りません。気づいたらぼろぼろと流れている涙を止めることができませんでした。

何度でも読み返したくなる、愛を見つけられる素敵なお話です。ぜひ、御一読を。このあたたかさに触れてみてください。

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2017/03/14 14:30
ネタバレ
五円玉が導く青春

五円玉を拾った。何気なく穴の中を覗いてみると、そこには今まで関わりのなかった人物たちがうつっていた。

長い前髪とメガネのガリ勉。
オトコに媚びを売ると女子から不人気のクラスメイト。
自分に好意を抱いている人気者。

五円玉を通して見えた人達はやがて主人公を取り巻きながら話の中心核へと姿を変えて行く。


不思議な五円玉を通した、高校生たちの青春物語。学校におけるヒエラルキーだとか、家族の暖かさだとか、恋の素敵さだとか。五円玉に導かれて成長していく主人公が、とても読みやすい文章でえがかれています。ぜひご一読ください。青春時代に戻りたくなりました。

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★★★★★
2017/03/12 20:40
ヒトが恋に落ちるのは、

彼の何が、わたしを変えたのか。 容姿が整っていて、それなりに男遊びをして。長続きなんてしたことなかったし、そもそもきちんと人と付き合ったことがなかった。それなのに、合コンで出逢った彼と付き合いだして、もう3年になる。 ドラマチックな出逢いでも、トクベツな何かがあった訳でもない。でも何故かヒトは恋に落ちるし、きっとそこに理由や意味なんてないんだろう。 "これを運命と呼ぶなら聞こえがいいけれど"、運命だとかそんな言葉を使わなくたって、自分と彼の間にはよくわからない愛のカタチがきっとある。それってすごくステキで、純粋で綺麗な愛情だなあ。それでもってきっと世の中の恋愛ってそういうものだよなあと思います。答えがない、その通りなんですよね。 恋をしたくなる9項。ぜひ、御一読を。

彼の何が、わたしを変えたのか。

容姿が整っていて、それなりに男遊びをして。長続きなんてしたことなかったし、そもそもきちんと人と付き合ったことがなかった。それなのに、合コンで出逢った彼と付き合いだして、もう3年になる。


ドラマチックな出逢いでも、トクベツな何かがあった訳でもない。でも何故かヒトは恋に落ちるし、きっとそこに理由や意味なんてないんだろう。

"これを運命と呼ぶなら聞こえがいいけれど"、運命だとかそんな言葉を使わなくたって、自分と彼の間にはよくわからない愛のカタチがきっとある。それってすごくステキで、純粋で綺麗な愛情だなあ。それでもってきっと世の中の恋愛ってそういうものだよなあと思います。答えがない、その通りなんですよね。

恋をしたくなる9項。ぜひ、御一読を。

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★★★★★
2017/03/09 23:46
マイペースにゆこう

紙飛行機の、軌道にのせて 彼らの夢が、希望が あおいそらに、飛んで行く * 夢がある人を凄いなあと思う 受験生という義務感で 参考書を開いて ペンをとる 勉強する なんのためか わからない勉強を 私もついこの間まで受験生だったので、この主人公にはかなり共感しながら読ませていただきました 朝倉くんとの何気ない会話から 夢というものを、見つけた 紙飛行機みたいに 希望は空高く とんでゆくんだね きっと、きっと、叶うね 自分の進路に迷っている方、これから受験生になる方、夢を追いかけている方、すべての人たちに2人の会話を覗いていただければと思います。ぜひ、ご一読を。

紙飛行機の、軌道にのせて
彼らの夢が、希望が
あおいそらに、飛んで行く

*

夢がある人を凄いなあと思う
受験生という義務感で
参考書を開いて ペンをとる
勉強する なんのためか わからない勉強を

私もついこの間まで受験生だったので、この主人公にはかなり共感しながら読ませていただきました

朝倉くんとの何気ない会話から
夢というものを、見つけた
紙飛行機みたいに
希望は空高く とんでゆくんだね
きっと、きっと、叶うね

自分の進路に迷っている方、これから受験生になる方、夢を追いかけている方、すべての人たちに2人の会話を覗いていただければと思います。ぜひ、ご一読を。

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★★★★★
2017/03/06 22:55
ネタバレ
テキトーな彼の愛情

いつでもテキトー
いつでも寝てる
そんな彼の本音は、いったいどれ?

*

愛音ちゃんだけに見せる山下くんのエスっ気のある態度とか、かわいいとことか、思わず下の名前で呼んでしまうところとか、とにかくこのお話を読んだら山下くんに惚れることは間違いありません。

中々素直になれない気持ち。
わからない山下くんの言動。
優しくしてくれる大倉くん。
でもやっぱり山下くんがすきなこと。

どきどきときゅんきゅんが詰まりながらも、山下くんの秘密に胸が切なくなりました。
山下くんはこれからきっと、愛音ちゃんといろんなことを乗り越えて、もっと幸せを知っていくんじゃないかなあと思います。

ぜひご一読を。きゅんとして、切なくなって、またぎゅんとさせられる最高に素敵なお話です。

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★★★★★
2017/03/04 12:41
ネタバレ
たぶんきっと、恋をしている。

外見に惑わされるというのはよくある話だ。

林檎が赤いという人は物事の本質を理解していないらしい。なるほど、確かに林檎が赤いのは皮だけであって、全体の1パーセントにも満たないかもしれない。屁理屈かもしれないが、確かに理にかなっていると思う。

そしてそれはきっと、ニンゲンも同じなのだろう。

林檎のような頰。桜桃のような色。
さて、味はあまいかすっぱいか?

放課後の部室で繰り広げられる、ほんのりピンク色のようなやさしいこの雰囲気、とてもすきです。

最後の一行に心を持っていかれました。
ストンと心に落ちてくる文章を、どうかみなさんも感じていただければ。
ぜひご一読を。

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★★★★★
2017/02/08 12:09
ネタバレ
ここから描こう

君はあの色みたいだね
私はそんな君にとって
どんな色に見えているだろう

たくさん遠回りしたけれど

ここから、描こう。
今、2つの色で。

*

単に浮気を悪いことだと考えるのは偏見でもあるのかもしれない。一つの拠り所よりも、たくさんの居場所が駿にはきっと必要だったのだろう。彼は彼なりに葛藤していて、すこし臆病だっただけ。

凛夏の真っ直ぐな気持ちに何度も切なくなったけれど、その度に逢坂に救われました。2人が幸せになってくれてよかった。とても可愛らしい2人です。

恋だけじゃなく友情も。たくさんの色が詰まった素敵な作品です。是非ご一読を。

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★★★★★
2017/02/05 17:14
まほらばに浸る私達に

自分の語彙力でこの物語を語ることは到底無理な気がしてなりません。ですがどうしても、1人でも多くの人にこの物語を読んで欲しいのです。私が切に願うのはそれだけです。 戦争は酷い物です。でも現代を生きる私達は、知っているようで本当は何ひとつ知らない。 正義感溢れる総馬が正しいとは思わないし、無駄なものは切り捨てる和泉が正しいとも思いません。けれど、お互いにお互いの違った部分を本当はきちんとわかっていて、そんな自分にないところに彼らはお互いに救われているのでしょう。現在の日本には、総馬のような人も和泉のような人もいます。どちらが正しいなんてのはわかりません。でも、ナムトに向かった彼らの愛はとても美しかった。人は人を変えることができるし、愛は1番人を強くするのでしょう。涙が溢れて止まりませんでした。 是非、御一読を。これこそ、今の私達が読むべき現代小説です。どうか、ページをめくってください。

自分の語彙力でこの物語を語ることは到底無理な気がしてなりません。ですがどうしても、1人でも多くの人にこの物語を読んで欲しいのです。私が切に願うのはそれだけです。

戦争は酷い物です。でも現代を生きる私達は、知っているようで本当は何ひとつ知らない。

正義感溢れる総馬が正しいとは思わないし、無駄なものは切り捨てる和泉が正しいとも思いません。けれど、お互いにお互いの違った部分を本当はきちんとわかっていて、そんな自分にないところに彼らはお互いに救われているのでしょう。現在の日本には、総馬のような人も和泉のような人もいます。どちらが正しいなんてのはわかりません。でも、ナムトに向かった彼らの愛はとても美しかった。人は人を変えることができるし、愛は1番人を強くするのでしょう。涙が溢れて止まりませんでした。

是非、御一読を。これこそ、今の私達が読むべき現代小説です。どうか、ページをめくってください。

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★★★★★
2017/02/01 23:06
ネタバレ
ふたりでつくる、恋文参考書。

言葉じゃ足りないくらい、好きだった

ひょんなことからツンデレヤンキー金井章の「恋文」作成を手伝うことになった日生。最初は渋々だったものの、2人きりの図書室で「恋文参考書」を作るうちに、日生の気持ちは段々と恋へと生まれ変わってゆく。でも、章は好きな人のために恋文を書いている。

*

まずもって、文章がとても美しいんです。章が恋をしていること、そんな章に段々と想いを寄せ始める日生のこと、こんなに綺麗で滑らかに表現できる作家さまはそういません。切なくて、胸がぎゅっと締め付けられるんです。

ふたりでつくる、恋文参考書。2人を繋いだのも、最後に想いを伝えるための手段として用いたのも、ふたりでつくった恋文参考書だった。あったかくて素敵な、手紙を通した遠回りの恋。ぜひ、御一読を。

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