天使のアリア––翼の記憶––

ちらっと噂の転校生の方を見ると、そんな私を見て大爆笑していた。お腹を抱えて笑いをこらえているらしい。しかしそんな姿でさえカッコイイのだから狡い。


「え…?あの…?」

「ふはっ、あ、ごめんね、あまりにも面白くてつい。」

もう笑いをこらえられなかったようだ。吹き出して笑っている。

だが笑顔が素敵な人なんだな、と思った。きっと普通の女子高生なら失神するほどのかっこよさ。爽やかすぎる。清涼感が常人の倍はある。ちょっと、イケメンすぎやしませんか、貴方。

でも、今の私はまたそれどころではなかった。


「一体何が面白かったんですか?」

見渡しても見つからない。一体何について笑っているのだろうか。

「いや、月子ちゃんの反応だよ。あー、面白い。いい子に出会ったな。」

まだ笑っているらしい。そこまで面白い反応をしたつもりは微塵もなかったのだけれども。

って、今私のことをちゃん付けした?よね!!なんで?何で!?馴れ馴れしい男子はお断りだ。大嫌いだ!

それよりも、

「どうして私の名前をご存じなのですか?」

転校してきたばかりで、美人で有名な藍羅先輩や乙葉のことを知っているならともかく、こんなにも目立たない"The・平凡"な私の名前を知っているなんて普通じゃない。


しかしこのお方は、


「うーん、なんでだろうねー?」

あはは、とまだ笑いを引きずっているらしい。嫌なヤツ。あまりにも失礼ではないですか?ですよね、そう思いますよね!

ヘラヘラした人は嫌いだ、大嫌いだ!


よくそこまで笑えるな、と思わず感心してしまうほど笑っている。目には涙を浮かべている。

私の何がそこまで面白かったのかな?全然分からない。見当すらつかない。