ふふ、と私の隣にいた人物は肩を揺らして笑った。
ふふふ、と七星先輩の声だけが静かなホールに響く。
先輩はしばらくして、ごめんなさいね、と先輩は未だ笑いながら謝った。
その謝罪には絶対的に謝ろうとする気持ちは含まれていない。
「あまりに面白くて、笑いをこらえられなかったの。世界の頂点に立つなんて、随分とぶっ飛んだことを言うのね?」
笑っちゃうわ、と七瀬先輩は笑った。
「戦隊ヒーローに出てくる悪役でもないのに」
…彼女には、恐怖心というものがないのだろうか。
これだけ目力のある人物を前に平常心を保てる七星先輩を、心底すごいと思った。
振り返れば北斗先輩も同じ様子だった。もしかしたら魔法が使えるという事実が彼らのこの自信に繋がっているのかもしれないと私はひっそり考えた。
竹取会のトップだという彼は、それだけで人を殺せるんじゃないかと思うほどの視線と威圧感はそのままに、口元だけを少し緩めて、嘲るような笑みを浮かべた。
口角の上がり方がデューク先輩と同じだと思った。
「あぁ、私は戦隊ヒーローの悪役ではない。簡単にやられるような存在ではないからな。そしてふざけているわけでもない。私は本当にこの世の頂点に立つ」
そして一呼吸置いて、また言葉を続けた。
「歌姫の力を用いて」
そして藍羅先輩を見た。
見下すような鋭い視線だった。
「お前が、どんな願いも叶えてくれるという、あの歌姫か」
「まぁ、そうだが」
藍羅先輩は何の恐怖も抱いていないようで、とても冷静だった。
「ならば、私の願いを叶えろ。この世界を統率する力を私に与えるのだ!」
両手を広げて言った。
あまりにも身勝手で恐ろしい願いを聞いて、私は震えた。
もしこの人の願いが叶ったら、世界はどうなってしまうのだろう。
藍羅先輩はなんと答えるのだろう。
みんなが藍羅先輩に注目していた。
皆の注目を一身に浴びて、藍羅先輩は言った。
「それはできない」
その表情は凛としていて、まっすぐに彼の黄金を見ていた。
「…なん、だと」
「あたしは、あたしが願いを叶えたいと思った者の願いを1つだけ叶えることができる。そしてそれはたった1人だけ。この世に1人だけ」
眉間にシワを寄せて明らかに不快な表情をする彼に、藍羅先輩は淡々と告げた。
「…それがデュークだというのか」
「あぁ、そうだ」
目線を下に逸らして立ち尽くしているデューク先輩の方を見て、彼は更に眉間にシワを寄せた。
「…ふざけている」
その声は怒りに震えていた。
「私ではなくデュークの願いを叶えるというのか、この小娘が!」
そして彼は拳を振り上げた。
きっと藍羅先輩を殴る気だと誰もが思った。
その時、環と呼ばれた彼が藍羅先輩を守るように前に出ると、右手の拳で彼の横腹を突いた。
彼は2、3歩後ずさると、環と呼ばれた彼をギロリと睨みつけた。
「…誰だ、貴様は」
環と呼ばれた彼は1ミリの動揺も見せない。
彼は竹取会に対して何の恐怖も抱いてはいないようだった。
「私は環。歌姫を導き、そして守る者」
そして彼は続けて言った。
「歌姫に手を出すならば容赦はしない」
「私は、私の願いは、お前ごときに止められはせん!」
そして彼は環に一撃を与えようとしたのだが、環が1枚も2枚も上手だった。
彼のパンチを難なくかわした環は、そのまま彼の腹部に強烈な蹴りを喰らわせた。
呻きながら彼は倒れ、そして同時に懐から拳銃を取り出し、その銃口を環に向けた。
環は眉を潜めた。
ふふふ、と七星先輩の声だけが静かなホールに響く。
先輩はしばらくして、ごめんなさいね、と先輩は未だ笑いながら謝った。
その謝罪には絶対的に謝ろうとする気持ちは含まれていない。
「あまりに面白くて、笑いをこらえられなかったの。世界の頂点に立つなんて、随分とぶっ飛んだことを言うのね?」
笑っちゃうわ、と七瀬先輩は笑った。
「戦隊ヒーローに出てくる悪役でもないのに」
…彼女には、恐怖心というものがないのだろうか。
これだけ目力のある人物を前に平常心を保てる七星先輩を、心底すごいと思った。
振り返れば北斗先輩も同じ様子だった。もしかしたら魔法が使えるという事実が彼らのこの自信に繋がっているのかもしれないと私はひっそり考えた。
竹取会のトップだという彼は、それだけで人を殺せるんじゃないかと思うほどの視線と威圧感はそのままに、口元だけを少し緩めて、嘲るような笑みを浮かべた。
口角の上がり方がデューク先輩と同じだと思った。
「あぁ、私は戦隊ヒーローの悪役ではない。簡単にやられるような存在ではないからな。そしてふざけているわけでもない。私は本当にこの世の頂点に立つ」
そして一呼吸置いて、また言葉を続けた。
「歌姫の力を用いて」
そして藍羅先輩を見た。
見下すような鋭い視線だった。
「お前が、どんな願いも叶えてくれるという、あの歌姫か」
「まぁ、そうだが」
藍羅先輩は何の恐怖も抱いていないようで、とても冷静だった。
「ならば、私の願いを叶えろ。この世界を統率する力を私に与えるのだ!」
両手を広げて言った。
あまりにも身勝手で恐ろしい願いを聞いて、私は震えた。
もしこの人の願いが叶ったら、世界はどうなってしまうのだろう。
藍羅先輩はなんと答えるのだろう。
みんなが藍羅先輩に注目していた。
皆の注目を一身に浴びて、藍羅先輩は言った。
「それはできない」
その表情は凛としていて、まっすぐに彼の黄金を見ていた。
「…なん、だと」
「あたしは、あたしが願いを叶えたいと思った者の願いを1つだけ叶えることができる。そしてそれはたった1人だけ。この世に1人だけ」
眉間にシワを寄せて明らかに不快な表情をする彼に、藍羅先輩は淡々と告げた。
「…それがデュークだというのか」
「あぁ、そうだ」
目線を下に逸らして立ち尽くしているデューク先輩の方を見て、彼は更に眉間にシワを寄せた。
「…ふざけている」
その声は怒りに震えていた。
「私ではなくデュークの願いを叶えるというのか、この小娘が!」
そして彼は拳を振り上げた。
きっと藍羅先輩を殴る気だと誰もが思った。
その時、環と呼ばれた彼が藍羅先輩を守るように前に出ると、右手の拳で彼の横腹を突いた。
彼は2、3歩後ずさると、環と呼ばれた彼をギロリと睨みつけた。
「…誰だ、貴様は」
環と呼ばれた彼は1ミリの動揺も見せない。
彼は竹取会に対して何の恐怖も抱いてはいないようだった。
「私は環。歌姫を導き、そして守る者」
そして彼は続けて言った。
「歌姫に手を出すならば容赦はしない」
「私は、私の願いは、お前ごときに止められはせん!」
そして彼は環に一撃を与えようとしたのだが、環が1枚も2枚も上手だった。
彼のパンチを難なくかわした環は、そのまま彼の腹部に強烈な蹴りを喰らわせた。
呻きながら彼は倒れ、そして同時に懐から拳銃を取り出し、その銃口を環に向けた。
環は眉を潜めた。


