天使のアリア––翼の記憶––

「そう落ち込むなって。そう言えばその転校生ってあの藍羅先輩と同じクラスらしいぜ。お前、藍羅先輩と仲良いんだろ?だったらまたどんな奴か聞けばいいんじゃねーの?」

「藍羅先輩と同じクラス!?」

そいつはいい話を聞いた!ウサギにしてはいい情報をくれるねえ!

「おい、俺にしてはってどういうことだ!?」

「そのままの意味。でもありがとう!」

私は笑顔で感謝の気持ちを伝えた。


「おっおう!」

急にドギマギしだしたウサギ。いきなりどうした?まぁいいか。

ウサギはそのまま他の男の子に話しかけられどこかに行ってしまった。まぁいいか。


そ・れ・よ・り!

デューク先輩って藍羅先輩と同じクラスなんだ!やったー!後で早速先輩に聞こう!


って、早速聞けないじゃーん…


「どうしたのー?また落ち込んでるけどー…」

乙葉が俯いた私の顔を覗き込んできた。


「今日、私、聞けない…」

「どうしてー?」

「今日は先輩と…」

「先輩ー?って、藍羅先輩ー?」

私は頷いた。万年帰宅部の私に関わりがある先輩など、藍羅先輩を除いて他にいない。

「次の演奏会の練習があるの。」


先輩は売れっ子歌手だ。各地のコンサートホールから引っ張りだこ。

ただでさえ学校生活が忙しいというのに、先輩は余程のことがない限り依頼を断らない。だから、余計に忙しいんだよね。それに伴い伴奏の私も忙しくなるわけです。

そんなストイックな先輩のことだから、今日もクタクタになるまで練習するに違いない。きっとその頃には私には聞く元気も残っていないのだ。