冷静、というよりも、感情がないと言う方が正しいかもしれない。
なんの戸惑いも罪悪感もなく、まるで予め決められたプログラムを淡々とこなす機械のようだった。
先輩が片手を挙げると、先輩の後ろにいた仲間達が攻撃をしかけてきた。
七星先輩、北斗先輩、ウサギ、乙葉は構える。
彼らは両手を重ねてこちらに向けた。
その重ねた手にエネルギーが溜まっているらしい。青く光っている。
危険だ と直感的に感じた。
そしてそのエネルギーの塊が発射された。
「"シールド"!」
七星先輩が杖を振り上げる。
その瞬間薄い卵色のドームのようなもので覆われた。
「な、なんですかこれ!?」
驚きの声をあげたのは私だった。
ウサギも乙葉も不思議そうな顔をしてそれを見ていた。
「…これ、先輩がやったんすか?」
ウサギの質問に七星先輩は頷いた。
「これはー?」
「シールド。防御壁」
乙葉の問いに、北斗先輩が答える。
至極簡潔な物言いがすごく先輩らしいと思った。
シールドに覆われていないステージは、ところどころ穴が開いていた。
何万人もの音楽家達が、この舞台に立って演奏することを夢見てきた。
私もその一人だ。
初めてかぐや会館の大ホールに足を踏み入れた時のホールの輝きは今でも忘れられない。
幼いころから何度も足を運んで演奏を聞いては、いつかは自分がこのホールでピアノを弾くのだと夢を描いた。
そんなホールが無残になっていく姿は、見るだけで胸が痛んだ。
「ステージが…」
藍羅先輩は眉をひそめた。
明日には何百人もの観客の前でその歌声を披露する予定だった。
前売り券は既に全て売り切れていて、全ての客席が埋まっている。
満員の観客の前で、藍羅先輩がその歌声を響かせる、その予定だったのに。
ステージがこんな状況では、そんなこと、到底できない。
絶望が押し寄せる。
敵の攻撃に浸食されてボロボロになっていくステージを食い入るように見つめていた。
「私が創り出したこのシールドの中のものは、敵の攻撃から守ることができるわ」
七星先輩が言った。
「だから、この外に出ようなんてしないでね。特に、月子ちゃんと藍羅。乙葉ちゃんも、無理はしないでね」
「分かってますー」
分かってるとは口で言う乙葉だが、絶対に無理をすることは火を見るより明らかだった。
乙葉は、無理をするなと言われて素直に大人しく引っ込んでいられるような性格じゃない。
なんの戸惑いも罪悪感もなく、まるで予め決められたプログラムを淡々とこなす機械のようだった。
先輩が片手を挙げると、先輩の後ろにいた仲間達が攻撃をしかけてきた。
七星先輩、北斗先輩、ウサギ、乙葉は構える。
彼らは両手を重ねてこちらに向けた。
その重ねた手にエネルギーが溜まっているらしい。青く光っている。
危険だ と直感的に感じた。
そしてそのエネルギーの塊が発射された。
「"シールド"!」
七星先輩が杖を振り上げる。
その瞬間薄い卵色のドームのようなもので覆われた。
「な、なんですかこれ!?」
驚きの声をあげたのは私だった。
ウサギも乙葉も不思議そうな顔をしてそれを見ていた。
「…これ、先輩がやったんすか?」
ウサギの質問に七星先輩は頷いた。
「これはー?」
「シールド。防御壁」
乙葉の問いに、北斗先輩が答える。
至極簡潔な物言いがすごく先輩らしいと思った。
シールドに覆われていないステージは、ところどころ穴が開いていた。
何万人もの音楽家達が、この舞台に立って演奏することを夢見てきた。
私もその一人だ。
初めてかぐや会館の大ホールに足を踏み入れた時のホールの輝きは今でも忘れられない。
幼いころから何度も足を運んで演奏を聞いては、いつかは自分がこのホールでピアノを弾くのだと夢を描いた。
そんなホールが無残になっていく姿は、見るだけで胸が痛んだ。
「ステージが…」
藍羅先輩は眉をひそめた。
明日には何百人もの観客の前でその歌声を披露する予定だった。
前売り券は既に全て売り切れていて、全ての客席が埋まっている。
満員の観客の前で、藍羅先輩がその歌声を響かせる、その予定だったのに。
ステージがこんな状況では、そんなこと、到底できない。
絶望が押し寄せる。
敵の攻撃に浸食されてボロボロになっていくステージを食い入るように見つめていた。
「私が創り出したこのシールドの中のものは、敵の攻撃から守ることができるわ」
七星先輩が言った。
「だから、この外に出ようなんてしないでね。特に、月子ちゃんと藍羅。乙葉ちゃんも、無理はしないでね」
「分かってますー」
分かってるとは口で言う乙葉だが、絶対に無理をすることは火を見るより明らかだった。
乙葉は、無理をするなと言われて素直に大人しく引っ込んでいられるような性格じゃない。


