*
そして気づけば私は眠りに落ちていたようで、目が覚めれば朝陽が昇っていた。
本番前の先輩の喉のために加湿器を稼働させていたので、空気は全く乾燥していない。
今は空気が乾燥する季節ではないけれど、本番直前の夜ということで作動させていたのだ。
隣のベッドを見ると、すでに先輩の姿はなく、私は焦って寝ぼけていた頭は一気に覚醒した。
「おはよう」
先輩が洗面所から現れた。
ダークブラウンの長い髪がさらさらと揺れる。
「よく眠れたか?」
朝からなんていう爽やかな微笑みを私にくれるのだろう。女神だと思った。
「おかげさまで」
私も微笑んでみせた。
「それなら良かっ…」
先輩は急に口元に手をあて俯いた。肩が震えている。
「ど、どうしましたか!?」
もしかして、咳をこらえているの!?
喉を傷めたとか!?
うそ、加湿器はちゃんと動いていたのに!
震える手で私を指差して、先輩は言った。
「…寝癖、ひどい…!」
顔をあげた先輩は満面の笑みだった。
「え…?」
「月子、どんな寝方をしたらそんな寝癖がつくんだよ!あー、面白い、笑いすぎて腹筋が筋肉痛を引き起こしそうだ!」
あははとお腹を抱えて大笑いをする先輩。
咳き込むような素振りを見せていると考えていたが、どうやら先輩は笑いを堪えているらしかった。
「そ、そんなに笑うほどですか?!」
笑ったまま頷く先輩。
私は急いで洗面台へと向かった。
鏡を見て私は呆然とした。
藍羅先輩が笑い転げた理由が分かった。
これは、ひどい。
髪の毛があっちこっち色んな方向へ飛び跳ねていて、アホ毛もたくさん立っている。
誰にも見せたくないほどの寝癖だった。
私は昨日どんな寝相をしていたのだろうと心底不思議に思ったが、自分のことだが寝ている間のことは分からない。
というか、藍羅先輩にこんな寝癖を見られたことが恥ずかしくてしかたがない。
羞恥心に苛まれながらも、私は早急に寝癖直しに奮闘した。
*
「あー、ほんと面白かった!」
「もう、笑わないでくださいよ!」
かぐや会館へ向かう途中、私は隣で今もお腹を抱えて笑う先輩を横目に見た。
そして気づけば私は眠りに落ちていたようで、目が覚めれば朝陽が昇っていた。
本番前の先輩の喉のために加湿器を稼働させていたので、空気は全く乾燥していない。
今は空気が乾燥する季節ではないけれど、本番直前の夜ということで作動させていたのだ。
隣のベッドを見ると、すでに先輩の姿はなく、私は焦って寝ぼけていた頭は一気に覚醒した。
「おはよう」
先輩が洗面所から現れた。
ダークブラウンの長い髪がさらさらと揺れる。
「よく眠れたか?」
朝からなんていう爽やかな微笑みを私にくれるのだろう。女神だと思った。
「おかげさまで」
私も微笑んでみせた。
「それなら良かっ…」
先輩は急に口元に手をあて俯いた。肩が震えている。
「ど、どうしましたか!?」
もしかして、咳をこらえているの!?
喉を傷めたとか!?
うそ、加湿器はちゃんと動いていたのに!
震える手で私を指差して、先輩は言った。
「…寝癖、ひどい…!」
顔をあげた先輩は満面の笑みだった。
「え…?」
「月子、どんな寝方をしたらそんな寝癖がつくんだよ!あー、面白い、笑いすぎて腹筋が筋肉痛を引き起こしそうだ!」
あははとお腹を抱えて大笑いをする先輩。
咳き込むような素振りを見せていると考えていたが、どうやら先輩は笑いを堪えているらしかった。
「そ、そんなに笑うほどですか?!」
笑ったまま頷く先輩。
私は急いで洗面台へと向かった。
鏡を見て私は呆然とした。
藍羅先輩が笑い転げた理由が分かった。
これは、ひどい。
髪の毛があっちこっち色んな方向へ飛び跳ねていて、アホ毛もたくさん立っている。
誰にも見せたくないほどの寝癖だった。
私は昨日どんな寝相をしていたのだろうと心底不思議に思ったが、自分のことだが寝ている間のことは分からない。
というか、藍羅先輩にこんな寝癖を見られたことが恥ずかしくてしかたがない。
羞恥心に苛まれながらも、私は早急に寝癖直しに奮闘した。
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「あー、ほんと面白かった!」
「もう、笑わないでくださいよ!」
かぐや会館へ向かう途中、私は隣で今もお腹を抱えて笑う先輩を横目に見た。


