「どうしたの?」
先輩のキャラメル色の髪がサラサラと揺れる。
「あ……いえ、何でもないです。すみません」
私は首を横に振った。
聞きたくて、聞けなかった。
先輩は歌姫が誰なのか、知っていますか。
口をついて出そうになったその言葉には、口から出るだけの勇気がなかった。
「そう。じゃあ、私達はもう帰るわね」
「ばいばい」
双子の先輩はそう言って手を振ると、「"モーメント・ムーブ"」と唱えた。
強い風が吹き、思わず腕で目を覆う。
しばらくして風が収まると、そこに先輩達の姿はなかった。
「…俺達も帰ろう。こいつらが起きる前に」
ウサギが振り返って私達を見る。
なぜか心臓がドクンと音を立てた。
きっと、不意にウサギの真剣な顔を見たからだろう。深い意味なんてない。
「何だよ?」
ウサギが怪訝そうな顔をした。
「なんでもないよ。帰ろう」
「そうだねー」
乙葉が微笑む。
私達は倒れている男達をそのままにして、家路についた。
*
「今日は本当にお疲れ様ー月子ー」
乙葉の家の前で私達は立ち止まった。
「聞きに来てくれてありがとうね」
「聞けて良かったよー」
ふんわりと優しく微笑む乙葉。はぁ、もう貴女は可愛すぎですか!
「ウサギも助けに来てくれてありがとー」
「乙葉が拳銃の音で居場所を教えてくれたおかげで何とか間に合ったけど。その後は全部こいつのお陰だな」
そう言ってウサギは片手に持っていた鞘に入った刀を見た。
先輩のキャラメル色の髪がサラサラと揺れる。
「あ……いえ、何でもないです。すみません」
私は首を横に振った。
聞きたくて、聞けなかった。
先輩は歌姫が誰なのか、知っていますか。
口をついて出そうになったその言葉には、口から出るだけの勇気がなかった。
「そう。じゃあ、私達はもう帰るわね」
「ばいばい」
双子の先輩はそう言って手を振ると、「"モーメント・ムーブ"」と唱えた。
強い風が吹き、思わず腕で目を覆う。
しばらくして風が収まると、そこに先輩達の姿はなかった。
「…俺達も帰ろう。こいつらが起きる前に」
ウサギが振り返って私達を見る。
なぜか心臓がドクンと音を立てた。
きっと、不意にウサギの真剣な顔を見たからだろう。深い意味なんてない。
「何だよ?」
ウサギが怪訝そうな顔をした。
「なんでもないよ。帰ろう」
「そうだねー」
乙葉が微笑む。
私達は倒れている男達をそのままにして、家路についた。
*
「今日は本当にお疲れ様ー月子ー」
乙葉の家の前で私達は立ち止まった。
「聞きに来てくれてありがとうね」
「聞けて良かったよー」
ふんわりと優しく微笑む乙葉。はぁ、もう貴女は可愛すぎですか!
「ウサギも助けに来てくれてありがとー」
「乙葉が拳銃の音で居場所を教えてくれたおかげで何とか間に合ったけど。その後は全部こいつのお陰だな」
そう言ってウサギは片手に持っていた鞘に入った刀を見た。


