「うわっ!!」

あたしは飛び起きた。

何、今の…夢?


辺りを見渡すとそこは普段通り私の部屋。何一つ変わっているところなどない。

目覚まし時計は設定した時刻の5分前を指していて、まだ鳴っていなかった。


良かった、夢か…

あんな夢を見たせいで、心臓の鼓動が速く、そして痛い。


それにしても私、なんであんな夢を見たんだろう?


私が見た夢にしては、ストーリー性が素晴らしかったけど、ドラマ化しそうなくらい、素敵なはなしだったけれど。

でも"あの夢"だとは考えづらいんだよね。

だってあまりにもファンタジー要素が多すぎる。女の子から翼が生えるって…天使ってこと?

そんなファンタジーみたいな話が現実に起こるわけがない。


じゃあ、さっきの夢は普通の夢?だよね。そうとしか思えないよ。

最近私ファンタジー小説にハマってるんだよね。きっとその影響を受けたのかな?

それと昨日見たドラマのシーンと合成されたのかな?

いやでもあんな話ではなかったけどな。


じゃあやっぱり"あの夢"?うーん…考えられないわけじゃないっていうか…

あーダメだ。頭が混乱してきた。


それにしても、あの夢…

ファンタジー要素を多く含んでいるんだけれど、でも、どこかリアルだった。


それに、まだ胸が痛い。心臓を鷲掴みされたよう。

それは、あの夢の男の子がすごく悲痛な表情をしていたからだろうか。

何かを告げるような、警告するような、嫌な感じ。


正夢にならなければ、いいんだけど…


-----ジリジリジリジリ

その瞬間に鳴り響く、目覚まし時計。


「うわっ!?」


慌てて目覚まし時計を止めた。

そんなこんなで、今日も私は元気です。