天使のアリア––翼の記憶––

「まぁ月子がそこまで言うなら大丈夫だな。」

「大丈夫…ではないかもしれません…」

「え?」

先輩は途端に不安そうな顔をなさった。

決して、大丈夫ではないだろう。

「先輩が可愛すぎて、絶対倒れる人が出ます!宣言します、5人は意識を失うでしょう!」

私は右手を先輩にかざした。そんな私を見て、先輩は溜息をついた。

「これだから月子は大袈裟なんだ。あたしはその予報が外れることを祈るぞ。自分のコンサートで意識を失う人を出したくはないからな。」

相変わらずクールな先輩。かっこよすぎる。


「いやいや、絶対私の言う通りになりますよ!」

「違ってたら、今度ジュース奢れよ。」

先輩は不敵に笑った。これ今すぐにでも写真に納めたい。ケータイはどこいったっけ。手元にないのが悲しい。


「望むところです!先輩こそ外れたら奢ってくださいよ!」

先輩は笑って「もちろん。」と言った。


はぁ、どうしてですか。どうして先輩はそこら辺の男子よりもかっこいいのですか…!

私が恋できない理由の一つに、先輩がかっこよすぎるからって理由が絶対入っていると本気で思うんです。もう、どうしてくれるんですか!私の青春!

なんて、怖くて直接なんて言えたモンじゃない。だから心の中で大絶叫するのです。


「言っておくが、月子が恋できないのは、決してあたしのせいじゃないからな。人のせいにするなよ。」


先輩は私の考えていたことをあっさり指摘し、溜息をついた。