《本当に……?》 少し声のトーンが上がったのがわかる。 俺は、かなり莉歩を苦しめていたんだな。 「あぁ、本当」 《じゃ、迎えに来てくれる……? 暗くなってきたから、怖い…》 莉歩がワガママを言うのは、 久しぶりに聞いた気がする。 いつも、肩身が狭そうに “イイ子”を演じていたから。 「どこにいる?」 《……駅前の公園》 俺はすぐに家を出た。 莉歩も……大切だからな。 大切な………家族だから。