「ううん、あたしが……」 「もうね、高2のときに叶多くんとは別れたんだよ? 叶多くんは……莉歩ちゃんを選んだんだよ」 違う、違う…―――違うよ。 あたしが、『愛さなくてもいいから』って言ったから。 言わなければ、あたしたちは結婚しなかったんだから………。 「それにね? 先生から聞いたんだけど……。 莉歩ちゃん、お腹の中には…… 新しい命があるんだよ」 あたしのお腹を触りながら、 こころちゃんは穏やかな笑顔で言った。 新しい………命……?