美咲と、茜色の冷たい校舎を歩く。 この頃、かなり冷え込んできている。 下駄箱まで来ると、 見慣れない人がいた。 「…え…大翔、先輩…!!」 ここは2年の下駄箱だから、 3年の入江先輩がいるハズはない。 美咲が一番驚いている。 「美咲、帰ろ」 あっ、そっか……。 3年生は、もう引退した んだっけ…! サッカー部を見ることが、 習慣になっていたから そんなこと、忘れてた……。 美咲自身、忘れてたっぽいし………。