「いいんじゃない?お似合いだと思うよ」


「や、でもっ…」


「断る権利なんかねぇよ」


「ええええぇ…!」


「じゃあ決定だね」




なんて推しに弱いのか。


そして抵抗も虚しく無駄に終わり、私はあっけなく棗様の専属メイドになってしまったのである。



正直これから生きていけるかも不安だ。




「初めての専属だね」


「花が気に入ってる」


「わぁ、素直だね」




クスクスと笑う馨様。



ままままま!!

待って待ってそんな、き、気に入ってるだなんて…!!


私の心臓は激しく騒ぎ、その熱は体中に回る。

きっと顔は真っ赤だろう。




「いいなー。僕も花ちゃんみたいな子欲しい」


「…手出すなよ」


「分かってるって!後が怖いしねー」




どうしよう。

未だに治まらない私の心臓。



…私なんかでいいのかな。

なるべく棗様に釣り合うように頑張ろう…。