放課後になってから、あたしは自分の机に今日返却された答案用紙を並べていた。


「未玲なにそれ、嫌味?」


帰ろうとカバンを手にした万結が、あたしの机を見下ろして眉間にシワをよせた。


「あはは。こんなにいい点数を取ったことがないから、思わず眺めてた」


そう返事をしてペロッと舌を出す。


「もぉ~!! 勉強ができないなんて未玲のうそつき!」


「嘘じゃないよ、ノートだってとってなかったし、本当にできなかったんだってば!」


「じゃぁ、どうやってこの短期間でこんな点数が取れるようになったのよ?」


そう言い、万結が平均85点のあたしの答案用紙を指先でつまむ。


「それは……色々とあって」


「色々ってなによ」


「色々は色々」