休みのたびに女子生徒に囲まれるあたしは、疲れ切ってしまってお昼休みには1人で屋上へ来ていた。


外の風を感じたら、なんだかホッとした気分になる。


以前のように噴水の向こう側のベンチに座り、お弁当を広げる。


1人で食べるお弁当は久しぶりで、今日はなんだか味気なく感じる。


そんな時だった、「一緒に食べていい?」という声が聞こえてきて、あたしはハッと顔を上げた。


そこに立っていたのは陸真さんだった。


「あ、どうぞ」


あたしは少し横へよけて、ベンチに座れるスペースを開ける。


「今朝はありがとうございました。お陰で、すぐに教室へ入ることができました」


「そんなのどうってことないよ。それに、教室にいたって大して変わらなかったろ?」