海都の手の感覚に懐かしさを覚えたあたしは、やっぱり何か大切なものを忘れているような気がしていた。


それを確認するため、まだ制覇さんの帰ってきていない寝室へと向かった。


ノックしてドアをあけると、ママは作りたてのトップスの飾りつけに悩んでいるところだった。


あたしは作業台に置いてあるパールのビーズを指差す。


「パステルカラーのピンクだから、きっとこういう上品なのが似合うんじゃないかな?」


「そうねぇ、試しにパールで飾ってようかしら」


ママはパールのビーズを4つ並べて花にしたり、トップスの襟の部分に並べたりして考えている。


「ねぇ、ママ」


「どうしたの?」


「あたしとママって、小さな頃七夕家の人たちと会ったことある?」