この夏、3年生が引退し、
柊也先輩がテニス部キャプテンになった。
その彼が腑抜けたプレーをし、ミスを連発している。
仲間の一人が彼の胸倉を掴み、激を飛ばした。
「柊也っ! てめぇ、別れた女のこと、部活にまで引きずるんじゃねぇよ!
部長がそんなんじゃ、1年に示しが付かねぇだろ!」
「悪い…」
「チッ… 今日の練習は俺が仕切る。
そのままだとお前、次の大会、メンバーから外されんぞ」
「分かってる…
悪い、少し抜ける。頭冷やして来る」
コートを出て来た彼に、空気を読めない女子達がキャアキャア寄って行く。


