その間の彼の動向は追っていないが、清宮鈴奈と激しい喧嘩をした筈。
かなりの衝撃を受け、愛しかった彼女を憎むようになった筈。
柊也先輩のいないテニスコートはつまらないので、一度聖心女学院を覗きに行ってみた。
放課後、暗い表情で校門を出る彼女を見た。
いつもくっついていた由梨の姿はない。
鞄に付けていたクソパンダもない。
あのパンダ、捨てたのかな…
私は取ってあるよ。
フルートケースカバーは捨てたけど、クソパンダは思い出として、机の引き出しに仕舞ってある。
柊也先輩に会えない3日間が過ぎ、そのまま夏休みに入った。
日焼け止めを厚塗りし、
強い日差しの中、学校へ行った。
このまま部活にも出ない気かと心配したが、彼はテニスコートにいた。
久しぶりに見るテニス姿に胸がときめく。
やっぱり柊也先輩は、誰よりも素敵。
でも…
雰囲気が以前と違った。
疲れたような顔。
目に力がなく、ぼんやりとしている。


