黒愛−kuroai−

 


小太りの油ぎった男が、マイクに向け絶叫中。



もはや歌ではない。
メロディも歌詞も無視して、

「ヤリテー!俺のスカイツリーぶち込みテー!!」

とキモイ欲望を叫んでいた。




迷わずドアを開け中に入る。

3人の視線が一斉に私に向いた。



「女子高生ちゃん、
どったの〜?」


「部屋間違い?
でも帰さない〜ウヘヘッ」


「ここ、おいで!
一緒に飲もう!」




酒臭い部屋、

テーブルには、大量のビールの空き缶と焼酎の空瓶。

3人とも目が赤くヘラヘラ笑って、かなり酔っている。




マイクに「ヤリテー」と叫んでいたキモ男に言った。



「ヤラせてあげよっか?
私の友達と」




男達はすぐに食いつく。

キモ男は喜び、見た目普通の男は
「金いくら?」と聞いてくる。