黒愛−kuroai−

 


「何すんのよ!」


「もう嫌!
愛美ちゃんの友達辞める!

私は私の方法で、鈴奈さんを助ける!

今日のデータ、全部消してよ!」




まさかの反抗に、少し慌てた。

完全に心を折ったと思ったが、詰めが甘かったか…



由梨に捕まらないよう、
個室内をぐるぐる逃げ回る。


右手にカメラ、左手に鞄。

カメラを鞄に突っ込み、代わりにある物を取り出した。



それを由梨に突き付けると…

急ブレーキが掛かり、足を止めた。



形成逆転。

怯む由梨、ニヤリ笑う私。




「それ…スタンガン…?」



「そう。護身用。

声掛けた男達に、変なことされたら嫌だから、一応用意していたの。

持って来て良かったー!

男じゃなく由梨に向けるとは、予想外だけどね」




電源をONにすると、バチバチ音がして、青白い電流が見えた。