黒愛−kuroai−

 


3人は立ち上がり、馴れ馴れしく肩に腕を回してくる。



「写真?いーよ!
超コーエー!」



「ねーねー、
俺らの中で1番イケてんの誰ー?」



「写真もいーけど、
どっか行こー?遊ぼー?」




最高にウザイ…

でも、
理想的なチャラ男だネ。




「由梨」

一言掛けると、
彼女は嫌々、鼻ピアスの腕に掴まった。



「もっと腕絡めて、
肩に頭をもたれる感じで」


その指示に、
由梨はほんの少しだけ、
鼻ピアスに体を寄せる。


もっと甘えた雰囲気が欲しいのに…

イライラしながら激を飛ばした。



「由梨!
真面目にやりな!」



体をビクつかせる由梨。
慌てて鼻ピアスに腕を絡め、肩に頭を付けた。




真剣にシャッターを切り続けていると、金髪がヘラヘラ笑って聞く。



「何で後ろ姿だけー?
顔も写してよ、顔ー」



顔を写せば偽物だとバレるじゃないか。