黒愛−kuroai−

 



 ◇


夜18時、
辺りは薄暗くなっていた。

由梨を連れ、この街1番の繁華街にやって来た。



ネオンの明かりがウザイ街。

既に酔っ払いのサラリーマンや、店を探しているOL、

安居酒屋の店前は、合コン風の学生達が騒いでいた。



表情の固い由梨に、笑顔を向ける。



「まずは軽く、
ゲーセンに入ってみようか」



その提案に由梨は怖々と反論した。



「あの…うちの学校、
ゲームセンター禁止の校則が…」



「だから?
まだ分かってないの?
由梨はこれから、イケナイ事するんだよ」



「………」





由梨の後ろ姿を再度チェック。

クソパンダのマスコットは、ちゃんと学生鞄に付いている。

左手にはフルート。

聖心女学院の白セーラー服に、清宮鈴奈と同じ髪型。



大丈夫、
後ろ姿はバッチリ彼女だ。




ゲームセンターに着いた。
自動ドアから入る、由梨の後ろ姿を写す。


ゲーム機で遊んでいる写真も数枚撮り、場所を移動した。