黒愛−kuroai−

 


この排除計画は、清宮鈴奈が柊也先輩をフルのではない。

先輩が彼女をフルように仕組むのだ。



その第一段階を、
私ではなく由梨が口にした。




「別れたいと言えない…
じゃあ、どうすればいいの?

鈴奈さんが、そんな男に騙され続けるなんて嫌だよ…

どうすれば…あっ……
鈴奈さんがフラれるようにすればいいのかな…」




由梨は恐る恐る私を見る。

悪いことを考えた自分に、
私がどんな反応するかが気になるみたいだ。



すかさず由梨の両手を握り、賛成した。




「それイイ考え!
あの男が、鈴奈さんを嫌いになればいいんだよ!

やっぱり由梨は頭いいなー。
聖女に通うだけあるね!」



「あ、ありがとう。
でも、鈴奈さんは完璧だから…
嫌われるのは難しいかも…」



「私にイイ考えがあるの!」




立ち上がり、ベットまで歩く。

ベットカバーを捲り、隠しておいたグッズを取り出す。



由梨の前に置いた物は、
フルートケースカバーと、パンダのマスコット、

それと、
愛用の一眼レフカメラ。