黒愛−kuroai−

 


そうして私は
由梨に嘘話しを説明する。


由梨が憧れる清宮鈴奈の彼氏、柊也先輩は、女癖が悪い。


他校の由梨は知らなくて当然だが、うちの高校では有名なタラシである。


見た目の爽やかに騙され集まる女の子を、彼は手当たり次第に食べている。



「こんな話しを聞かせてゴメン」と言いながら、

身を小さくし、済まなそうに話した。



「私の胸にしまって、言わない方が、みんな幸せかなと思ったけど…

今日鈴奈さんと話して、凄く素敵な人だったから…

あんな男に騙されているのが可哀相になって…」




由梨の顔が見る見る真っ赤になる。

手が震え、怒りを爆発させる。




「許せない!
鈴奈さんに言ってやる!」


「待って!それは駄目」


「どうして?」




どうしてと言われたら、
清宮鈴奈は本当の柊也先輩を知っているから、すぐに嘘がバレる。



排除計画の当面の登場人物は、私と由梨の2人だけ。

彼女に登場願うのはまだ先の予定。