黒愛−kuroai−

 


「オラッ 泣けよっ!」


ブタ子に怒鳴られも泣かない。



「別れるって言いな!」


ララたんに蹴られても、無言で堪える。




倉庫に入りそろそろ30分と言う頃、ケチャップまみれの手をポケットに入れ、スマホに触れた。



ここに来る前、メールを作っておいた。


『タスケテ』

緊迫感ある一言メールを、ワンタッチで菜緒に送信した。



蹴られながら、逆側のポケットにも手を入れた。

指先に触れるのは、冷たい金属の感触。

それを取り出し、わざと床に落とした。




カチャンと音がして、攻撃を中断する4人。


ブタ子が落ちた物を拾い、手の中で遊ばせる。




「ハサミ…

へぇ、黒田さん、これで抵抗しようとしたの?

度胸あるじゃない。
落とすなんて、バカだけど」




「あっ…」





しまったと言う表情を作り、急いで立ち上がった。


ドアに向け走ろうとするが、逃げ道を塞がれ、捕まってしまう。