黒愛−kuroai−

 


 ◇


放課後になった。

今日は掃除当番の為、下校時間が少し遅れる。


菜緒に待って貰い、ゴミ捨てを終わらせ、一緒に正面玄関に向かった。



放課後の校内は静かだ。

部活の生徒以外帰って行き、靴箱前にいるのは私達だけ。



上靴を脱ぎながら菜緒が聞く。




「愛美、柊也先輩に言う決心ついた?」



「う…うーん…」




まだ迷っている風を装いながら、自分の外靴に手を掛ける。



「あ、また入ってる…」



そう呟き、靴から取り出したのは、四つ折のメモ用紙。



「一々読まなくいいよ。
捨てちゃいな?」



メモの送り主に呆れ、菜緒はそう言うが、

私は無言で紙を広げた。



それにはこんな文面が印字されていた。



『 黒田愛美様

本日放課後、グラウンド北側倉庫に、一人で来て下さい。

誰かにチクったり無視する場合、ペナルティとして、あなたの大事な人達に危害を与えます』