黒愛−kuroai−

 


「あはは…えっと…実は、菜緒と喧嘩しちゃって…

あの、お昼の約束したけど、今日は菜緒と食べていいですか?

仲直りしたくて…柊也先輩…ごめんなさい…」




「別にいいけど…喧嘩なんて珍しいな。

菜緒ちゃん、何が原因か知らないけど、愛美を許してやって?

菜緒ちゃん以外、友達いないみたいだし」




「そんなことないです!
友達たくさんいますよ!」




「ハハッ まっ仲良くやってよ。じゃあな」





柊也先輩の姿が見えなくなってから、菜緒の口を解放した。


強く押さえ過ぎて、口の周りが赤くなっている。



菜緒はすぐに苛立ちをぶつけて来た。




「何で言わせてくれないのよ!」




「だからね、柊也先輩にバレたら別れ話しになりそうで…」




「そんなことないって!
今だってお昼誘いに来たじゃない!

愛美、もっと自信持ちな?
ちゃんと言って、守ってもらいなよ」




「菜緒… ありがと。

でも少し待って。良く考えるから…

せめて“今日の放課後”までは、柊也先輩に言わないで」