黒愛−kuroai−

 


柊也先輩に言わないでとお願いした理由を、菜緒に打ち明けた。




「実はね… 柊也先輩、私に飽きてきたみたいなの…」




「は?そんなこと言われたの?」




「あ、言われてないよ、私の勝手な推測。

最近、一緒にお昼食べる回数も減ったし、

テニスの応援も、毎日来るのは止めてって…


なんかね、適度な距離が欲しいみたい。

私はくっついていたいけど、先輩は違うんだ…


だからね、冷めかけてる彼に“あなたのファンにイジメられて…”なんて言えない。

きっと“君の為に別れよう”と言われちゃう…」




菜緒は怒っていた。


「そんな酷い男…あんたから振ってやれば…」


そう言いかけて、悔しそうに唇を噛む。




「それは無理だよね…
愛美、柊也先輩のこと大好きだもんね…」



「うん、絶対に別れたくない。

大丈夫だよ。堪えられなくなったら、親にもちゃんと話す。

菜緒、心配してくれてありがとう!」