黒愛−kuroai−

 


青ざめる菜緒。
湿布の上から頬に触れてくる。



「痛っ」

声を上げると、


「ごめん!」

慌てて手を離した。




本当は痛くない。
青アザも出来ていないし、殴られてもいない。


青いアイシャドーを塗り、湿布を貼っただけ。



マジマジ見られたら、アザではないとバレるから、

さっきは、チラ見せするに留めておいた。




“警察”なんて、面倒臭い事を言い出した菜緒。

余計な行動させないように、釘を刺しておく。




「警察沙汰なんて、嫌だよ…

親にもイジメを知られたくない…

私はまだ大丈夫。だから菜緒、絶対誰にも言わないでね?

柊也先輩にも言わないでよ?」




「柊也先輩にも?どうして?あんたの彼氏だよ?

犯人どうせ、先輩ファンでしょ?

守ってもらうべきだよ!」




菜緒は本気で心配してくれる。

私の手を強く握り、説得しようと必死だ。



菜緒は優しいね。

ありがとう。

その優しさも、その内、利用させてもらうけどネ。