黒愛−kuroai−

 


 ◇◇


12月に入り、吐く息が白くなった頃、

“私イジメ”のレベルを1段階上げることにした。



早朝、人気のない玄関。
4人の上靴に指令書を入れて置く。



教室に入り、ララたんが黒板に書いた、私の悪口を消していると、

菜緒が「おっはよ!」と入って来た。



振り向く私の顔を見て、息を飲み、驚いている。




「愛美… その顔、どうした?
まさか…例のイジメ?」



「… 多分」




左頬に大きな湿布を1枚貼っていた。

端を少し剥がして菜緒に見せ、
すぐに湿布で頬を隠す。



怖がりながら、菜緒が質問してくる。



「青くなってる…
今度は何された?叩かれたの?
誰に?」



「昨日の帰り…
目出し帽の女の子に、いきなり殴られた」



「マジで… ヤバイよ…
親に言った?て言うか、警察ものでしょ?」