黒愛−kuroai−

 


偽善者達を掻き分け、私はポスターを剥がし出す。



「違うっ!
私はこんなことしてないっ!」



そう叫び、目を潤ませ、
中傷に傷付く、か弱い女子を演じて見せる。



ポスター剥がしを手伝ってくれたのは、菜緒だけ。

全てを剥がし終えるのに、5分掛かった。



グチャグチャになった昨夜の力作を抱きしめ、床に膝を付き、泣き真似をする。



泣きながら、横目でやじ馬達を観察すると、ブタ子の姿を見付けた。



笑いたい気持ちを必死に隠す…
そんな顔をしていた。



ブタ子から数メートル離れた場所には、“ララたん”もいる。


その後ろに“苺姫”
壁際に“夢キラリ☆”




ララたん達3人の、人物特定は既に済んでいる。



テニスコートでブタ子をからかった時、

足を止めこっちを見た、3人の顔をしっかり記憶していた。



掲示板でさりげなく、髪型など判別できそうな特徴を聞くと、

バカな3人は疑うことなく、
“クロアイ”に教えてくれた。



校内で後をつけ、クラスと名前も把握した。



3人の正体を知っているのは私だけ。

“桃ラビ”がブタ子である以外、彼女達はお互いのことを知らずにいる。