黒愛−kuroai−

 


フフッ…
怒ってる、怒ってる。

でも、まだ足りない。

行動を起こしたくなるほど、怒りを溜めてくれないと。



睨むブタ子の手から、サッとポカリを奪い取る。

ニヤリと笑い、こう言った。




「このポカリ、私から彼氏に渡しておくね!

ブタ山さんは帰っていいよ。
寒い中、ご・く・ろ・う・さ・ま」




「返せっ!」と言われ手が伸びてきたが、それをヒラリとかわし、駆け出した。



ちょうど白ジャージ軍団が、テニスコートから出て来る。

柊也先輩もラケットを担ぎ、汗の湯気を上らせていた。



彼の下に駆け寄り、ポカリを渡す。



「柊也先輩!差し入れです!」



“私から”とは言わないが、
“ブタ子から”とも言わない。


先輩は喉を鳴らして一気に半分飲み、残りを私に預けた。




「愛美、今日はマック寄ってくか。
今スゲー腹減ってる。家まで持たない」



「はい!そう言われる気がして、クーポンゲットしておきました!」



「ハハッ 準備いーな。
着替えてくるから、少し待って。

あ、ポカリ、サンキューな」