放棄って……さぼれってこと?
「嫌ですよう!
教会の場所はそのへんの小さいおっさんに聞けば、教えてくれますから。
一人で行ってください!」
ポケットから、個包装されたチョコレートを取り出そうとした。
これをあげれば、小さいおっさんは親切にしてくれるから。
だけど。
「……ほう……。
この時代でひとりきりの我を、見捨てるというわけだな……」
うっ……。
さっきまで後光がさしていたのに、あっという間に黒いオーラに変わってる。
「お前が勝手に召喚したのに……」
「あーもーわかりましたよ!
行けばいいんでしょ、行けば!」
拒否したら、何されるかわからないもんね。
お腹が痛くて、トイレから出られなかったとでも言えばいいのかな……。
あたしはとんでもない罪悪感を抱えたまま、四郎君と教会へ向かうことになってしまったのだった。



