「美心、探したぞ」


天草さんはまぶしい笑顔で、あたしに微笑む。


ドキッとする暇もなく、女子たちが背中にむらがった。


「天草四郎さん?変わった名前」

「ねえ神崎さん、紹介してよ」


ああ……なんでこんなことに。


なんて紹介したらいいの。

迷っていると、天草さんは彼女たちに向かい、にこりと微笑む。


それだけで、細い悲鳴が上がった。


「……お前たちは、美心のなんだ?」


穏やかにたずねる声に、女子たちは口々に答えた。


「友達ですっ!」

「友達よね?」

「っていうか、親友?」


……ウソばっかり!


まともにしゃべったこともないどころか、あなたたち派手グループは、あたしを無視してたじゃない。

なんて現金なんだろう。

呆れて言葉も出ないよ。


「そう……友なのか。
今後とも、美心をよろしくな」


天草さんはなぜか上から目線で、あたしの頭を後ろからぽんぽんとなでる。


まるで、保護者みたいに。