「四郎くんっ、あたし待ってるから!

ずっと、ずっと、おばあちゃんになっても、死んじゃって来世に生まれ変わっても、あなたのこと待ってるから!」


信じてるよ。


きっと、また二人で見られる未来がくること。


「大好きだから……!」


そう言うと、四郎くんがふっと微笑んだ。


「信じてるから!」


四郎くんの世界が、遠くなっていく。


暗い闇の中の星が、あたしたちを飲み込んでいく。


最後の最後で、穴の入り口から、四郎くんが叫んだ。


「元気でな!」


満面の笑顔でそう言うと、彼は勢いよく手を振った。


まるで、明日友達と遊ぶ約束をした、小さな子供のように。


また、すぐ会えるみたいに、明るい口調で。


姿が見えなくなるまで、四郎くんはずっとずっと、手を振り続けていた。