祈るように、力を捧げる。
すると、オロチの体が七色の光の中に溶けていく。
「もう少しだ」
解放された四郎くんが、あたしによりかかる。
あたしはその手をにぎりながら、祈り続けた。
恐ろしかったオロチの姿は、やがて光の球になり、空へと昇る。
あたしたちは黙ってその光景を見上げた。
すると、太陽のすぐそばまで飛翔したかのように見えたそれが、突然はじけた。
降り注ぐ、七色の粒。
光を反射する、金色の粉。
「消えた……」
オロチの姿は、もうどこにもなかった。
他の妖怪のように灰になったわけじゃなく、最期は、光となって消えたんだ。
安心すると膝から力が抜けた。
へたりとその場に座り込むあたしの横で、四郎くんもまた倒れこんだ。
「四郎くん!」
「四郎、大丈夫か!」
あおむけになり、はあはあと荒い息を繰り返す四郎くん。
着ていた白装束は、元の色がわからないくらい、オロチと彼自身の血で汚れていた。



