『人間の女をだまして次々に食っていたのは、お前だな。
わたしたちはお前を、もう神とは呼べぬ』
違う……誰もだます気なんて、なかった。
ただ自分は、彼女たちを愛しただけ。
だけど彼女たちは、自分の本当の姿を見せれば、全員同じ反応をした。
だから……食ってやったのだ。
頭の中で、オロチの思念が渦を巻く。
胸が痛くて、涙が出そうなのに、なんの感情も映さない蛇の目。
あなたはそんな目をした自分が、嫌いだったんだね。
だけど、誰かに認めてほしかった。
愛した人に、どんな姿でも変わらないと、言ってほしかった。
だけど彼女たちは、恐ろしい大蛇の姿のあなたを呪うばかり。
だから……人間を、憎むようになってしまったんだ。
本当は大好きだったのに、裏切られてばかりいたから……。
視界がかすむ。
『あたし』の中から、オロチの思念が離れていく。



