「すみません……あたしの、せいなんです……」
あたしはいんちき魔術で精霊を召喚しようとして、間違えて天草さんを召喚してしまったことを打ち明けた。
「……お前が、我を?」
「じゃないかと思います……」
「……ふうむ……どうなんだろうな。
あのとき、我の力も敵の力も飽和状態に達していた。
空間に亀裂が走っていたような気もする。
そこへお前のいんちき魔術が何かしらの影響を与えたのかもしれん。
おそらく、色々な要因が偶然に重なってしまったんだろう」
天草さんは意外に冷静に当時の状況を分析する。
絶対怒鳴られて怒られると思っていたあたしは、拍子抜けした。
「ところで、あんたの敵とは何者だ」
風牙くんが聞く。
「……なぜそんなことを聞く?」
天草さんが怪訝そうに尋ねる。
「俺たちの役割と関わりがあるかもしれないからだ」
風牙くんが、冷静に答える。
彼らの役割と関わりって?



