本当に大変だったのは、それからだった。


気を失った生徒たちの記憶を消し、正気に戻すという作業が待っていたから。


あたしたちだけではとても無理な作業に、応援が来た。


妖怪ガールズの呼びかけで集まった、妖怪の皆さんだ。


彼らはオロチを恐れている妖怪たちで、人間に悪さをしようという気はないみたい。


金ぴかオーラの四郎くんにびびりながら、それぞれの能力を駆使し、生徒たちの記憶を消していった。


「……なんか、すげー光景を見ている気がするんだけど」


河童に妖狐、のっぺらぼう、座敷童……などなど、メジャーなものからマイナーなものまで、勢ぞろいしたその光景は、まるで映画のよう。


彼らはなんとか仕事を終え、帰っていった。


最後の仕上げで、四郎くんが杖を振る。


すると、生徒たちは次々に目を覚ました。


「あれ……?」


何が起きたかわからない生徒たちは、妖怪に手当された傷跡を見て首をかしげていた。