久しぶりの学校は、意外なほど静かだった。


あのあと3日熱を出して寝込んだあたしは、食堂でみんなとお昼を過ごしていた。


「もう誰もあの話、してないんだね」


お祭りで、突然多くの人が倒れたというニュースは、大々的に報道されていたはずだけど。


「倒れたときに怪我をした人もいるからな……身近すぎるところで信じられないことが起きたから、あまり口にするのがはばかられるんじゃないか?」


「怖い話って、集まってすると恐怖が倍増するもんなー」


風牙くんの意見に、雷牙が同意した。


そっか……みんな、なんとなく不安を感じてるんだ。


スサノオ兄弟は二人とも、今日はから揚げ定食をほおばっている。


あたしはなんだか食欲がなくて、お弁当をつつく箸を置いてしまった。


「というか……」

「なんで二人仲良く同じ弁当食ってんだよ」

「しかもそのクオリティは、おばさんのものではない」


二人はあたしと四郎くんのお弁当を指さし、頬を膨らませた。