『ほう……それが、おぬしの力か』


オロチはそう言うと、先ほどと同じように口から霧を吐き出す。


「美心!」


雷牙たちの声が聞こえる。


あたしは夢中で、両手を体の前に伸ばした。


「やだっ、来ないで!消えてぇぇぇっ!」


叫ぶ。オーロラ色の気が、オロチの毒霧にまとわりつく。


「美心……っ!」


四郎くんが立ち上がる。
けれど、ガイコツたちに囲まれる。


雷牙も風牙くんも、それぞれにガイコツ相手に戦っている音が聞こえる。


自分でなんとかするしかない……! 


手に力を込める。
気が、放出されていく。


オーロラと霧が混じり合う。
そのまま力の渦にねじ込まれ、つぶされそうになる感覚。


その中で、なんとか足を踏ん張り、地上に意識をつなぎ止める。


「消えろっ、消えろっ、消えろっ!」


たくさんの人間を、四郎くんを傷つけた。


絶対、許さない。
思い通りになんか、なりたくない!


「消え、ろぉぉぉぉっ!!」


ありったけの気を放出する。


目の前が、オーロラ色一色に染まっていく。