「そう言ってもらえると、嬉しいよ……」


彼らもあたしのことを友達だと思ってくれているのかな。


本当のことを知ったら離れていくかもしれないけど、彼らはやっぱり優しい。


「じゃあ早くオロチを探さなければな」


四郎くんはカステラ以外の食料を食べきり、ごみをまとめながら言った。


「そう、だね……」


まだ食べかけのリンゴ飴を持つ手から、元気がなくなっていく気がする。


「これは、お前たちにやる。
仲間で分けろ」


四郎くんはかがみ、ベビーカステラを袋ごと、おっさんに渡した。


『ありがとう。みんな喜ぶ。

あんたたち、二人とも優しい。お似合いだ』


おっさんは大喜びで、そんなことを言う。


調子のいい精霊だなあ。


こんなモデルみたいな人(ホントはつけエリのいんちきキリシタンだけど)とあたしがお似合いなわけないのにね……。


あえて否定せずにいると、おっさんは笑顔のままその場から立ち去った。


まるで、風のように。