「左の肘を直角にして銃身を支え、右手は銃尻を包み、頬につけろ。

そうすれば、種子島は一番安定する」


子供たちは、突然現れた変なイケメンを口を開けたまま見守っている。


ああ、こんなに期待させて大丈夫?


これで当たらなかったら……いんちきで当たっても倒れなかったら、四郎くん怒り狂わないかしら。


はらはらしながら見守っていると、四郎くんは銃を構え……。


引き金を、引いた。


パンとコルクの弾が発射される軽い音がした刹那……2等の的が、くらりと踊り、後ろに倒れた。


「当たった!」

「すげーや兄ちゃん!」

「兄ちゃん、ジャネーズの人?」


子供たちは大喜び。


お店のおじさんはそんなはずないという顔で、目をぱちくりさせていた。


やっぱり、いんちきしてたのかな。


でもこれだけ目撃者がいたら、ごまかす方がかえって不自然。


おじさんはしぶしぶといった感じで、あたしの座高くらいある大きなクマのぬいぐるみを、乱暴にくれた。