「焦ってごめんね。
神崎さん、最近すごく可愛くなったから……他のやつにとられる前に、なんとか伝えたかったんだ」
「……あたしのことをそんなふうに言ってくれるの、槙原くんだけだよ……」
すごく可愛いなんて、奈々ちゃんと妖怪ガールズにしか言われたことないもん。
他の男子があたしを見ているなんてこと、ありえないよ。
「でも……ごめんなさい」
昨日眠りにつく前、ふと考えたんだ。
もしあの告白が、本当だったらって。
でもね。
どうしても、あなたとあたしがカレカノになる想像が、うまくできなかったの。
ついこの前まで、妄想できていたはずなのにね。
オロチに憑かれているかどうかは関係なくても。
ものすごく考えても、イメージできなかったってことは、つまり……。
槙原くんは憧れの人であったけど、つきあうってことは、難しいんじゃないかと思うんだ。
憧れと恋は、ちょっと違う……そう、気づいたの。



